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【PagerDuty on Tour Tokyo 2025開催レポート】第三弾「テクニカルセッション編」

2025.05.16更新

    PagerDutyの年次カンファレンス「PagerDuty on Tour Tokyo 2025」が、4月10日(木)に虎ノ門ヒルズフォーラムで開催されました。

    本イベントはニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドン、シドニー、東京の5都市を巡るグローバルツアーの一環で、国内では今年で連続開催となります。

    昨年に引き続き、ビジネスセッションとテクニカルセッションの2部構成で開催され、今年は会場規模を拡大。総来場者数もさらに増加し、インシデント対応や運用改革に対する関心の高さがより一層感じられる一日となりました。

    PagerDuty on Tour Tokyo 2025の開催このレポート第三弾では、当日実施されたテクニカルセッションの概要をご紹介します。全5本のセッションでは、実践的な内容や運用の将来像に言及した内容を、多くの参加者がメモや写真を撮りながら熱心に聴講しており、立ち見が出るほどの人気ぶりでした。

    NRI木村氏:今後の運用はBiz・Dev・Ops一体での変革が必要に

    「『2025年の崖』が迫る運用変革 ~SRE/DevOps時代のシステム運用~」の題で、『システム障害対応の教科書』の著者であり、株式会社野村総合研究所の木村誠明氏(ITアーキテクチャーコンサルティング部 チーフシステムコンサルタント)にご登壇いただきました。

    木村氏は、執筆の目的について「暗黙知となっている障害対応を形式知に変え、個人と組織の障害対応力を向上させること」と述べました。また、最近の運用における課題として、DXに象徴されるビジネス環境の変化に対して運用変革が追いついていないケースが多いと指摘しました。

    同氏によると変化に対応するにはアジャイルといった開発手法だけでは不十分であるとし、より疎結合でスケーラブルなアーキテクチャが必要だと説明しました。また、オブザーバビリティや防御的実装といった運用性の向上にも注力すべきであると述べ、従来の運用からSREやDevOpsといったIT組織・プロセス・人材にわたる変革が進んでいる現状について言及しました。ただし、これは伝統的運用の全てを否定しているわけではなく、レガシーモダナイズの過渡期にある場合、最適解は企業ごとに異なると補足しました。

    その上で木村氏は、今後の運用には、Biz・Dev・Opsが一体となった変革が求められると締めくくりました。

    PagerDuty:CoEによりビジネスの優先順位に合った自動化を実現

    「自動化は、デジタル変革の中核である」――PagerDuty Global Strategic Solution Advisorのマーティン・ヴァン・ソンのセッション「セルフサービスで実現する自動化のオーケストレーション」は、そんな言葉から始まりました。

    現在のIT現場では、クラウド運用、ビジネス部門、ITセキュリティ部門など部門ごとに異なるツールが乱立し連携されない状態で活用されています。マーティン・ヴァン・ソンは、これでは全体の自動化を進めたくとも、一部分だけの自動化にとどまり、十分な効果が得られない可能性を指摘しました。

    そこで重要となってくるのが、標準化、迅速化、拡張を実現するセンター・オブ・エクセレンス(CoE)であり、サービスカタログの標準化を通じて、ビジネスの優先順位に合わせた自動化を実現していくことが重要だと語りました。

    PagerDutyが提供するソリューションは、オーケストレーターとして機能する標準化プラットフォームで、既存の孤立した自動化の接続・管理を可能にします。それによって、企業は安全なセルフサービスアクセス、学習の負担軽減、自動化の標準化を同時に実現することが可能になります。

    さらに、自動化によって1週間あたり900万件のジョブが処理され、時間・コスト・リスクの削減を実現すると説明しました。

    富士通:PagerDutyのAIOps活用しFujitsu Uvanceサービスの質を向上

    「次世代ITシステム運用への挑戦 ~PagerDutyによる運用改革~」の題で、富士通株式会社の山村一之事業部長(クラウド&ビジネスアプリケーション事業本部 クラウドサービス事業部)にご登壇いただきました。自社のITシステム運用にどのようにPagerDutyを取り入れてきたか、体験談を交えながら紹介しました。

    同社では「運用自動化」、「オブザーバビリティ・AI監視」、「インシデント対応の効率化・迅速化」といった変革が求められる背景があるなか、社員12万人が利用する基幹システムにAI監視を導入し、マルチクラウド環境での障害影響の極小化と、プロアクティブな運用へシフトしたと、山村氏は説明しました。

    具体的に同社は、社会課題解決とビジネス成長の両立を実現する「Fujitsu Uvance」のプラットフォームにPagerDutyを活用した24時間365日のフルサポートを行うグローバル運用を開始しました。その結果、緊急度の高いアラートの迅速な解決、ITSM連携における品質向上と効率化を実現することに成功しました。

    そして山村氏は、PagerDutyのAIOps活用によって、高効率で高品質な次世代ITシステムサービスの提供が可能になったと述べ、ITインフラ運用の最適化とシステムの安定稼働は、DX推進、サスティナブルな企業の礎になることを強調しました。

    New Relic:AIが加わりオブザーバビリティが新世代に

    「オブザーバビリティが実現するAIOpsの未来」の題で、New Relic株式会社の瀬戸島敏宏氏(技術統括コンサルティング部 部長)にご登壇いただきました。

    瀬戸島氏は、システムを取り巻く環境が大きく変わり、トラブルが企業にとって大きなリスク要因となっている今、オブザーバビリティによる予防・改善を行う体制を持つことが大切だといいます。

    さらに、オブザーバビリティ自体もAIによって進化し、インテリジェント型オブザーバビリティとなり、本当のAIOpsへと進化すると続けて強調しました。AIOps時代に必要な要素として、「収集・観測」、「分析・判断」、「可視化・実行」の3つがあげられました。「収集・観測」によってすべてのレイヤーにAIが寄与し、「分析・判断」によって各レイヤーで自動化と分析が行われ、「可視化・実行」で連携が加速していきます。

    最後に瀬戸島氏は、PagerDutyとの連携により、オブザーバビリティで得られる情報もよりリッチになり、人・プロセスも新しい時代の変化に備える時期に来ていると語りました。

    PagerDuty: AI Agentは運用改善手段の一つ

    テクニカルセッションの最後を飾ったのは、PagerDutyのSenior Solutions Consultantである山崎淳一による「PagerDuty AI Agentが実現する次世代の運用基盤」。同セッションでは、基調講演でも紹介された「PagerDuty AI Agent」の詳細に迫りました。

    現時点で、リリース前であることを前置きしつつも、本ソリューションがAI Agentによる運用基盤ではなく、システムの運用改善のための手段のひとつであることを説明しました。ただし、大きな可能性を持った存在で、これまで人間が行っていたインシデント障害復旧作業をAI Agentが代替えするポテンシャルを持っています。といっても人間を脅かす存在ではなく、未知の障害が発生した場合の意思決定やアクションを進めていくのは引き続き人間がカバーする必要になります。

    その上でPagerDuty AI Agentの特長として、インシデント対応の一元化、現行の運用管理ツールやデータを統合せずにそのまま利用することが可能である点、確実なセキュリティ確保とコンプライアンスを遵守している点を説明しました。

    そして山崎は、2025年夏頃にEarly Accesss版をリリース予定しており、お客様とともにPagerDuty AI Agentを成長させていき、そして改めて、PagerDutyが提供するインシデント管理機能により、システム運用に関わる皆様の作業負担が軽減し、システム安定稼働につながっていくように、期待を込めてセッションを締めくくりました。


    閉会挨拶では、PagerDuty株式会社のProduct Evangelist 草間一人が振り返りの言葉を述べ、テクニカルセッションは閉幕しました。

    なお、ご紹介した講演のうち、一部のセッションについては、現在オンデマンドでの視聴が可能です。ご興味のある方は、ぜひこちらのリンクよりご覧ください。

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