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重要なデジタルオペレーション業務における生成AI機能

生成AIで変わるインシデント対応|人的コストの最適化と判断スピードの両立を実現する

生成AIで変わるインシデント対応|人的コストの最適化と判断スピードの両立を実現する

「生成AIとはどのような技術なのか」「インシデント対応に役立つのか」といった疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。

生成AIとは、過去に学習したデータをもとに新たなコンテンツを生成する人工知能技術です。企業が導入することで、インシデント対応の時間短縮や担当者の負担軽減などが期待できます。

本記事では、生成AIの概要や注目される理由、インシデント対応における効果、導入時のポイントについて解説します。

生成AIとは

生成AIはジェネレーティブAIとも呼ばれ、過去に学習したデータをもとに新たなコンテンツを生成する人工知能技術を指します。文章や画像、動画、音声、プログラムコードなど多種多様なコンテンツが出力可能です。

ここでは、生成AIについてさらに深掘りしていきます。

生成AIの仕組み

生成AIの仕組みは、以下のとおりです。

  1. ユーザーが生成AIへプロンプト(指示)を送信
  2. 生成AIは、あらかじめ学習した関連性の高いデータを使用してプロンプトの内容を解析
  3. 解析した内容をもとにユーザーへ回答を生成

なお、生成AIには事前に入念なトレーニングが実施されています。

まず、膨大なデータを収集して前処理(不要な情報やノイズの除去など)を行なったあと、そのデータをもとにモデルを構築します。最後にモデルの品質を評価し、必要に応じて調整しているのです。この一連のプロセスがあることで、生成AIは人間のようなアウトプットを生み出しています。

生成AIとAIの違い

生成AIとAIの大きな違いは、アプローチ方法と用途です。

一般的にAI(人工知能)は、人間が行なう推論や意志決定などの知的行動を再現する技術全般を指します。過去に学習したデータから、最適な回答を見つけ出して出力することが可能です。

例えば、IT運用にAIを活用した「AIOps(エーアイオプス)」では、障害の原因特定やシステム異常の検知、業務の自動化などの実現が期待できます。

一方で生成AIは、ディープラーニング(深層学習)と呼ばれる手法を用いて大量のデータを自ら学習し、新たなコンテンツを生成するのが特徴です。人間が与えていない情報までも理解して、0から1を生み出す創造性があります。

AIはデータの分析や予測などに向いているのに対し、生成AIは新たなコンテンツを生み出すことに特化しているといえるでしょう。

なお、ディープラーニング(深層学習)とは、「ニューラルネットワーク」という人間の神経細胞を再現したシステムでの機械学習手法の一つです。コンピュータは自動で大量のデータを学習し、そのデータのなかから関係性や特徴を見つけ出して新たなものを生成しています。

生成AIの種類

生成AIはおもに以下の4種類に分けられ、用途に応じて多様なサービスが提供されています。

  • テキスト生成AI:ChatGPT、Geminiなど
  • 画像生成AI:Stable Diffusion、Midjourneyなど
  • 動画生成AI:Make-a-Video、Soraなど
  • 音声生成AI:VALL-E、Voiceboxなど

いずれもユーザーが入力したテキスト内容をもとに、オリジナルのコンテンツを生み出します。ツールによっては、テキストだけでなく画像や音声データの入力も可能です。

生成AIが注目されている理由

2022年11月のChatGPTの登場をきっかけに、生成AIは急速に注目されるようになりました。生成AIが世界中の関心を集めた理由の一つとしては、出力精度の飛躍的向上が挙げられます。

以前は、出力される文章の不自然さや正確性に欠けるといった課題がありました。しかし、コンピュータの性能の向上によって扱えるデータ量が増加し、AI技術が格段に進化しました。その結果、高精度かつ自然なコンテンツの生成が可能になったのです。

さらに、生成AIの利用には専門知識が不要で幅広いユーザーが扱いやすいという点も、注目を集める理由の一つでしょう。

インシデント対応における生成AIの活用の可能性

インシデントの意味合いは分野によって異なるものの、PagerDutyでは「システム障害に際して何らかの対応が必要な課題」と定義しています。また、システム・サービスを素早く復旧させるための取り組みを「インシデント管理・対応」と呼んでいます。

インシデントに適切に対応するには、過去のあらゆるデータから状況に応じた処理を導き出す必要があります。しかし、これらを手作業で行なうと膨大な時間がかかり、特に大規模なインシデントの場合はより複雑性が増すでしょう。

インシデント対応に生成AIを活用すれば、対応方法に関する助言を受けられるなど、業務負担の軽減が期待できます。これにより、担当者の経験年数にかかわらず、迅速かつ的確な問題解決へとつなげられるでしょう。

とはいえ、実際に活用するには具体的かつ簡潔なプロンプトが必要です。また、生成AIの正確性や柔軟性には懸念が残るため、今後のさらなる技術進化が期待されます。

インシデント対応体制の現状と課題

インシデント対応は、企業活動を支えるうえで欠かせない業務です。しかし、多くの企業では迅速な対応を妨げる課題が存在しています。

関連記事:
「インシデント対応」とは?~効率的な体制構築のポイントを解説~

アラート過多による対応遅れ

システムに何らかの問題が発生した際、「ユーザーからの問い合わせで初めて障害に気付いた」という企業が多い傾向にあります。これは、インシデントを知らせるアラートが大量に発生し重要なアラートが埋もれたことで、対応の遅れが発生したと考えられるでしょう。

アラートの数が多すぎると、担当者はその確認だけでもかなりの時間を費やすことになります。重要なアラートに気付かず初動対応が遅れると、状況がさらに悪化する可能性もあります。

対応遅れやシステム障害がもたらすビジネスへの影響

システム障害による稼働停止は、企業に多大な影響を与えます。システムがわずか1分停止しただけでも数百万円、24時間停止した場合は数十億円もの損失が生じる可能性があるといわれています。

さらに、経済的損失以外にも顧客からの信頼喪失やブランドイメージの低下など、大きなダメージを受けることになるでしょう。

関連記事:
システム障害とは?~企業が考えるべきリスク対策とインシデント管理~

担当者の疲弊

大量のアラートへの対応は、インシデント担当者の心身に大きな負担がかかります。担当者はアラートの緊急度にかかわらず一つひとつ対処し、重要なアラートを見逃さないよう常に集中しなければなりません。

その結果、疲弊した担当者の注意力が低下し、対応の遅れやアラートの見逃しにつながる可能性があります。場当たり的な対応の連続で担当者が燃え尽き症候群に陥るリスクもあるでしょう。

属人化

インシデント対応に関する情報や対応方法が社内で共有されていないと、一部の担当者に業務が集中し、属人化が起こりやすくなります。この状態では、担当者の不在時などに適切な対応ができなかったり、問題解決までに時間がかかったりするでしょう。

また、業務の属人化によってほかの従業員のスキルを磨く機会が減り、人材育成の妨げになることも考えられます。

生成AI導入によるインシデント対応の4つの効果

生成AIの導入は、インシデント対応が抱える課題の解決策になる可能性を秘めています。その理由は、以下のようなメリットがあるためです。

一次対応の自動化

生成AIの導入によって、問い合わせへの回答や担当者への通知といった一次対応を自動化できれば、インシデントの発生から解決までの時間を短縮できる可能性が高まります。

これにより、従業員は高度な判断や対応が求められる業務に集中することができるでしょう。

ナレッジの即時検索と提示

ビジネスにおけるナレッジとは、業務で得られる知識や経験、ノウハウ(企業にとって有益なもの)を指します。

しかし、ナレッジの蓄積量が多いほど、必要な情報を迅速に探し出すことが難しくなります。関連性の高いキーワードを把握できていないと、さらに時間がかかるケースもあるでしょう。

ナレッジ検索機能を搭載している生成AIであれば、インシデント発生時にも知りたい情報を質問するだけで該当内容を提示してくれます。そのため、初動対応が早まりスピーディーな問題解決につながります。

インシデントレポートの自動生成

インシデントが発生した場合、その原因や発生状況、行なった対応、今後の対策などをまとめたインシデントレポートの作成が求められます。このレポートは、再発防止策を検討する際の資料や企業全体のナレッジとして蓄積するために必要なものです。

通常、インシデントレポートの作成には多くの時間と労力が必要ですが、生成AIで自動化すれば、業務効率化やリスク管理の強化が期待できます。

担当者の負担軽減と生産性向上

生成AIの導入によって一次対応の自動化やナレッジの即時検索、インシデントレポートの自動生成などを実現できれば、人間の対応時間を大幅に短縮できます。その結果、担当者にかかる心身への負担が軽くなり、対応遅れや見逃しが解消される可能性があります。

運用改善など、これまで手が回らなかった業務にもリソースを割けるようになるでしょう。

生成AI導入時に意識したいポイント

生成AIはさまざまなメリットをもたらしますが、導入・運用の際は次のようなポイントを意識することが大切です。企業としての信頼性を失わないためにも重要な要素になります。

社内での運用ルールを決めておく

生成AIの利用には、セキュリティインシデント(情報セキュリティに関する脅威や事故)や権利侵害のリスクがともないます。特に対話型AIサービスには、ユーザーが入力したデータを学習し、ほかのユーザーへの回答に用いる可能性があります。個人情報や機密情報は入力しないよう気を付けましょう。

社内で明確な運用ルールを策定することが、情報漏洩や法的トラブルを回避する第一歩につながります。

従業員の生成AI活用リテラシーの向上に努める

より安全に生成AIを活用するには、従業員一人ひとりの生成AI活用リテラシーの向上が極めて重要です。ツールの使い方だけでなく、生成AIの特性やリスクも正しく理解することで、企業全体のAI活用能力が向上するでしょう。

具体的には、情報セキュリティの勉強会や生成AIの活用法に関する研修などが有効です。

出力物は必ず人の目でチェックする

生成AIの出力内容には、事実と異なる要素や特定の視点に基づく偏見が含まれているケースがあります。これは生成AIが学習データに依存しているためであり、状況によっては倫理的な問題が発生する可能性もあるでしょう。

また、画像生成AIの場合は、既存の著作物と酷似していると著作権侵害にあたるおそれもあります。

そのため、生成AIはあくまで補助ツールとしてとらえ、最終的な判断と責任は人間がもつという意識が重要です。どれだけ魅力的なコンテンツでも、必ず人の目でチェックするようにしましょう。

「PagerDuty Advance」は迅速なインシデント対応が可能

PagerDuty Advance」は、PagerDutyの提供する「PagerDuty Operations Cloud」に組み込まれている生成AIです。活用することで、インシデント対応の業務効率向上や反復的な業務の自動化、運用コストの削減が期待できます。

PagerDuty Advance」にはさまざまな機能が搭載されています。例えば、生成AIチャットボットの「PagerDuty Advance Assistant for Slack」では、Slackで簡単なプロンプトを入力するだけでインシデントに関する情報の要約文や質問に対する回答の出力が可能です。

また、「PagerDuty Advance for Postmortems」はポストモーテム(事後検証)を自動生成できるため、インシデント発生後の再発防止策や改善に役立ちます。

関連記事:
インシデントの再発を防ぐ効果的なポストモーテムとは?

まとめ:生成AIは「疲弊しない判断役」としてインシデント対応を支える存在に

生成AIとは、過去に学習したデータをもとに新たなコンテンツを生成する人工知能技術のことです。さまざまなコンテンツを生み出すことができ、ビジネスシーンでのさらなる活用が期待されます。

そして、生成AIはインシデント対応のサポートも可能です。これまでのインシデント対応は、アラート過多による対応遅れや担当者の疲弊などが課題でした。生成AIを導入することで、担当者の負担が軽くなり、より高度な判断や対応が求められる業務に集中することも可能になるでしょう。

「PagerDuty」なら、インシデントによるアラートの集約・精査や対応時間の短縮が可能です。インシデント管理ツールをお探しの方は、ぜひ一度ご検討ください。

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