生成AIランブックによるシステム運用効率化
「AI-generated Runbooks」が自動化に与えるメリット

生成AIランブックによる システム運用効率化 「AI-generated Runbooks」 が自動化に与えるメリット

今日のシステム運用は、システムの多様化や複雑化、慢性的なIT人材の不足など、さまざまな課題を抱えています。対応策としてシステム運用体制の見直しや効率化を検討する企業も多くあるでしょう。
しかし、そうはいっても…運用の効率化はなかなか進まないのが実情ではないでしょうか?
運用業務やインシデント対応の効率化には、Runbook(ランブック、手順書)の活用が有効です。そして、生成AIを用いたPagerDuty機能「AI-generated Runbooks」では、生成AIを活用して自律的にランブックを作成できます。業務効率化はもとより、組織内の誰もが安心してシステムを自動運用できる環境の構築に役立つでしょう。本記事では、 AI-generated Runbooksの特徴や、導入のメリットについて解説します。

Runbook(ランブック)とは

「ランブック」とは、タスクやプロセスの実行方法を詳しく説明した作業手順書です。問題を迅速かつ効率的に解決できるよう、汎用性のある指示が記載されています。
システム運用でランブックが活用される場面として挙げられるのは、「プロビジョニング」「ソフトウェアの更新・展開」など、頻繁に発生するメンテナンスやトラブルシュートなどです。経験の浅いエンジニアでも、ランブックを参照すれば適切な対応ができるようになります。
ランブックを作成する際には、明確な手順の定義が必要です。そのため、ランブックを活用すれば、業務やインシデント対応を自動化しやすくなります。
ランブックについては、「ルーティン業務を劇的に改善する『Runbook(ランブック)』とは?」で詳しく解説しています。

システム運用自動化の必要性

システム運用業務は「システムの正常動作に必要な障害対応や監視」「脆弱性対応」「不正侵入検知」「インシデント管理」など多岐にわたります。
さらに、システムはサーバーやネットワークなどのハードウェア、OSや各種アプリなどのソフトウェアが絡み合って構成されているうえに、次々と登場する新しい技術が取り込まれています。
そのため、運用方法は非常に多様化・複雑化し、システム規模も拡大化する傾向にあります。手動でのシステム管理の難度はますます高まっていると言えるでしょう。

また、24時間365日対応が求められるシステム運用では、IT人材の慢性的な不足や過大な業務負担といった潜在的な課題もあり、労働環境の改善が必要だと考えられます。
このような背景から、自動化によるシステム運用の効率化や安全性の確保が求められているのです。
システム運用の自動化が実現すれば、業務効率化はもちろん、多大なオペレーションによる人的ミスの削減にも役立ちます。さらに、自動化によって浮いた人材の業務時間を他の業務に充てられるようになり、人材の有効活用にもつながるでしょう。

ランブックを自動化するという概念は、Runbook Automation(ランブック・オートメーション)と呼ばれます。ランブックを自動化できれば、システム運用において負担の大きい「人の判断が必要な状況」の対応効率化に有効です。

「AI-generated Runbooks」の特徴

PagerDutyの「AI-generated Runbooks」には、生成AIの技術が活用されています。
生成AIは、従来のAIと異なり深層学習が可能で、精度が高く活用範囲が拡大しています。指示には日常で使う自然言語が使えるため、直感的でわかりやすく、簡単に使える点が特徴です。
AI-generated Runbooksは、自動化したい業務をシンプルな英語で書くだけで、その業務にカスタマイズされた自動化テンプレートの作成をAIに任せられます。

また、自動化の作成には、ユーザーが使いやすいスクリプト言語の利用が可能です。ハイコード以外にローコードでも書けることで、自動化の利用ハードルが下がるだけでなく、テンプレート作成にかかる時間を大幅に削減できます。
専門的な知識がない方でも自動化の実現性が格段に増す「自動化の民主化」をもたらすのが、生成AIを活用したランブックです。

AI-generated Runbooksがもたらす6つのメリット

✅ 開発プロセスの効率化

セルフサービス自動化の作成には、適切なドキュメントやコマンドを選択し、各ジョブステップに手動で変換するといった作業をともないます。AI-generated Runbooksでは、その作業をこれまでになく迅速化でき、自動化にかかる時間と手間を削減できます。

以下のデモでは、Oktaでアプリケーションへのアクセス権を付与する際に、AI-generated Runbooksによりいかに作業が簡素化されるかをご覧いただけます。

✅ オンボーディングの迅速化

表示された例から開始したいタスクを選択すれば、あとはRunbook Automationプラットフォームでタスクの実行状況を確認するだけです。

✅ 自動化技術の民主化

AI-generated Runbooksのサポートにより、経験の少ない自動化担当者でも、目的が決まればすぐに展開や実装といったアクションに移れます。
これにより、Runbook Automationをはじめとする、技術ツールを使えるチームメンバーの業務範囲拡大につながります。

✅ 自動化未経験の不安を解消

自動化にあたり、「何から始めればいいのか?」と疑問を抱くユーザーは多いでしょう。
AI-generated Runbooksでは、ユースケースに合わせたジョブの基本パターンを作成しておくことで、ユーザーはすぐに対応を開始できます。

✅ ベストプラクティスによる最適化

AI-generated Runbooksに用いられているプロンプトエンジニアリングは、PagerDutyのProcess Automationチームの技術者によって集められた、既知のベストプラクティスをベースにしています。
その具体例として、以下が挙げられます。

  • ジョブ作成時に、必ずそのジョブを起動するための必要条件を説明したReadMeも作成される
  • ジョブ内で使用されるシークレットはすべてユーザーの要求によるものではなく、Key Storageから取得される

✅ 生成AIとデータの安全性

生成AIの採用を検討されているPagerDutyのお客様からは、モデルトレーニングの際に競合他社に有利な情報が漏れてしまわないかといった、自社データのセキュリティに関する懸念をよく耳にします。
その点に関して、PagerDuty AI-generated Runbooksの機能では「オプトイン方式」を採用しているため、すべてに承諾を必要とします。また、機能に関するドキュメントでは、以下のように説明されています。

生成AIモデルに送信されるのは、プロンプトフィールドに入力されたテキストのみで、環境、既存のジョブ、プロンプトのソースといったその他のデータがAIモデルに送信されることはありません。また、AIモデルのトレーニングがプロンプトに入力されたテキストで行われることもありません。

PagerDutyにおけるAIを採用した製品の開発と取り組みについての詳細は、「生成AIを安全かつ安心に利用するためのガイドライン」でご確認いただけます。

以下は、AI-generated Runbooksの実際の動作イメージです。

Democratize Automation with AI-Generated Runbooks | PagerDuty

自動化を新たな領域へと進化させるAI-generated Runbookにより、オペレーションはこれまで以上に強化されます。PagerDutyを活用して自動化の未来に備え、運用環境の変革を体験しましょう。PagerDuty AI-generated Runbooksの無料トライアルは、こちらからご登録ください。

まとめ:「AI-generated Runbooks」でインシデント対応を効率化しよう

生成AIを活用したAI-generated Runbooksでは、ランブックにおいて自動化テンプレートの作成が容易になります。これにより、専門知識を持たない方でも自動化の利用が可能です。
自動化は、インシデント対応においても効率化をもたらし、誰もが迅速で適切な対応ができるようになります。サービス停止による損失を防げるだけでなく、運用担当者にかかる業務負担の軽減にもつながります。
AI-generated Runbooksは、PagerDuty Runbook Automationからご利用いただけます。PagerDuty Runbook Automationのユーザーではない方は、こちらのPagerDuty Runbook Automationの無料トライアルからご利用ください!

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PagerDutyイメージ

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