SAP様事例

SAP、PagerDutyで重大インシデントの迅速な対応プロセスに変革をもたらす
SAP
従業員数
100,000人以上
事業内容
テクノロジー
所在地
ヴァルドルフ(ドイツ)
取引期間
2019年
  • 5001名〜
  • インシデントへの迅速な対応
  • 組織・体制変革
  • テクノロジー
  • MTTA・MTTR
  • オーナーシップ
PagerDuty導入前の課題
  • 内製インシデント対応ツールの複雑化
  • 重大インシデント対応時間の長期化
PagerDuty導入効果
  • 重大インシデントの影響と継続時間を短縮し、対応時間を30%、解決時間を26%削減
  • リアルタイムに、適任者へ、適切な情報を届けることで重大インシデント対応を最適化
  • チーム間の連携を強化し、サービスに対する責任の所在を明確化
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SAPは、180か国以上に顧客を抱える、エンタープライズアプリケーションソフトウェアのリーダーです。世界における取引収入の4分の3以上にSAPのシステムが関わっています。SAPは近年、自社ビジネスをデジタルトランスフォーメーションし、顧客向けサービスをクラウドに移行する取り組みを行っています。シニアプログラムマネージャーであるMitchell Rose氏は、グローバルクラウドサービス(GCS)チームにおける自身の役割の1つとして、これらのサービスの全世界のアップタイム(連続稼働時間)に対する責任を担っています。Rose氏は次のように述べています。「SAPのビジョンは、世界をよりよく動かし、人々の生活を向上させることです。しかし、これを実現するには、お客様に影響を与えるクラウドの障害やインシデントの数を確実に減らしていく必要があります。」
GCSチームのビジョンは、同社のクラウドサービスやインフラを「常時オン」の状態にできるよう、インテリジェントな障害管理を通じてSAP社内の技術チームをサポートすることです。「つまり、SAP内で拡張可能な重大インシデントサービスを構築し、Ariba、Concur、Fieldglassなどのサービスのアップタイムを確保することを目指しています。」とRose氏は言います

重大インシデント対応を阻む課題

 前述の課題を踏まえ、SAPほどの規模の組織になると、このようなサービスを開発して展開することは難しいと認識していました。同社チームの多くは、個々の技術チーム向けにカスタマイズされた内製ツールを使用していました。しかし、そのようなツールは会社全域に拡張できるものではありません。長年にわたるSAPの企業買収の結果、組織内で多様なツールやプロセスが使用されるようになり、連携や全社的な取り組みが難しくなっていたのです。
 Rose氏は次のように説明します。「チームごとに業務モデルが大きく異なっていました。オペレーションの定義が異なり、”プライオリティ” の意味も統一されていませんでした。また、チケットシステム、ChatOpsツール、業務プロセスや慣行も違っていました。成功には、重大インシデント対応に対する当社ビジョンに合った、ベストオブブリードのプラットフォームが必要でした。これがPagerDutyを採用した理由です。」

PagerDutyが重大インシデント対応の高速化をサポート

 SAPのGCSチームは、PagerDutyを使って重大インシデント対応を指揮しています。PagerDutyを導入後、SAPにおける重大インシデントの対応プロセスは改善され、2か月で重大インシデントへの初期対応と連絡時間を30%、解決時間を26%削減することができました。

 Rose氏は次のように述べています。「重大インシデントの影響と継続時間を減らすことに成功しました。PagerDutyのおかげで、適任者が、適切なタイミングに、適切な問題の処理に当たれるようになったのです。その結果、たった2か月で重大インシデントの解決に必要な人員を25%も削減できました。」
 PagerDutyは、各チームや関係者間のコミュニケーション改善にも役立っています。クラウドサービスの障害など、顧客に影響する極めて重大なインシデントのトリアージが必要になると、SAP社内の重大インシデント対応手順の “SWAT” モードに切り替わります。

SWATモードが発動すると、顧客への報告も含め、SWATチームが社内のビジネスコミュニケーションを促すのです。

 SWATチームは、PagerDutyを通じてリアルタイムにインシデントの状況を確認し、経営幹部を含む他の関係者に最新情報を伝えることができます。そのため、より早い段階でSWATモードへの切り替えが決定されるようになり、多くのケースで数時間かかっていた重大インシデント対応時間が数分程度に削減されました。

連携と責任の強化

 GCSチームは、SAPの重大インシデント管理(MIM)チームとの連携を強化するため、PagerDutyを重大インシデントのフレームワークに組み込みました。

現在では、重大インシデントが発生すると、SuccessFactorsやAribaのMIMチームなどの関係チームに通知が送られ、最適な対応に向けて調整が行われるようになっています。Rose氏は次のように述べています。「PagerDutyのおかげで、主要な事業部門と技術チームが共通の業務モデルに基づき、重大インシデント対応で連携できるようになりました。共通のフレームワークにより、プロセスだけでなく、深刻度や優先度の基準も統一されました。また、重大インシデント対応において、SAP社内で拡張されたサービスに対する責任の所在が明確になったのです。」

PagerDutyの特長

 PagerDutyを導入後、SAPのGCSチームはオペレーショナルエクセレンスを強化し、以下のような価値を実現しています。

  • リアルタイムに、適任者へ、適切な情報を届けることで、重大インシデント対応を最適化•2か月で、重大インシデントに必要な人員を25%削減
  • チーム間の連携を強化し、サービスに対する責任の所在を明確化
  • 重大インシデントに関する他チームとのリアルタイムコミュニケーションが向上したことで、社内のパフォーマンスサービスレベルアグリーメント(SLA)を達成
  • 重大インシデントの影響と継続時間を短縮し、対応時間を30%、解決時間を26%削減•さまざまな商用ツールや内製ツールをシームレスに統合


Rose氏は次のように締めくくっています。
 「PagerDutyはSAPにとってミッションクリティカルな存在として、チーム間の連携や迅速な重大インシデント対応、またSAPのお客様に世界最高レベルのデジタルサービスを提供し続けることをサポートしてくれています。」

将来の展望

 SAPのGCSチームは、インシデント解決の改善に努めており、PagerDutyから得られる事後検証レポートや過去のインシデントを今起きている問題のトラブルシューティングに役立てていく予定です。また、PagerDutyで重要ビジネスインパクト指標に基づく自動ランブック(手順書)を作成し、重大インシデント対応プロセスの自動化を強化していきたいと考えています。


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