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重要なデジタルオペレーション業務における生成AI機能

AIエージェントでインシデントライフサイクルを変革する

2025.09.03更新
    AIエージェントでインシデントライフサイクルを変革する

    私たちは今、組織の運用方法が根本的に変わる変化の真っ只中にいます。すでに51%の企業がAIエージェントを導入済みです。これまで後手に回りがちで手作業に依存していた運用が、インテリジェントで自動化されたAI駆動のものに変わりつつあります。

    この変化をうまく取り入れた組織は、単なる運用効率の向上だけでなく、ビジネス成果に直接影響する戦略的な競争優位性を手に入れています。AIエージェントの考え方はシンプルです。人がより良く、より速く、よりスマートに働けるよう支援することです。

    本記事では、AIエージェントがインシデントライフサイクルをどう変革し、どのような測定可能なビジネス効果をもたらすのか、そして成功するための実装戦略について詳しく解説します。

    AIエージェントとは?|IT運用を変革する自律型デジタルワーカー

    システムの複雑化とスピードが求められる現代のIT運用において、業務の効率化や迅速な対応は欠かせません。

    こうした課題に対応する新たな手段として注目されているのが「AIエージェント」です。本章では、AIエージェントの基本的な役割や機能、従来のチャットボットとの違いを解説します。

    AIエージェントの特徴とチャットボットとの違い

    • 単に「質問に答える」チャットボットではない
    • 自律的に判断・実行する“実務担当AI”のような存在
    • 設定された運用ワークフローに従い、通知・判断・分析・修復までを一貫して担える

    インシデント管理における運用ライフサイクルとAIの役割

    運用業務は常に次のようなライフサイクルを中心に回っています:

    発見:複雑なシステムのノイズを切り抜けて、潜在的な問題をインテリジェントに検出

    トリアージ:インシデントの重要度とビジネスへの影響を判断し、サービス依存関係と顧客体験に基づいて優先順位を設定

    動員:適切なタイミングで適切なコンテキストを持つ適切な対応者を集める

    診断:データ駆動型およびAIによる分析で根本原因を特定し、調査時間を短縮

    解決:自動修復または人間のガイド付き介入により適切な修正を実行

    しかし、チームがこれを実行する方法は常に変化しています。以前はポケベルで連絡を取っていましたが、今はSlackやモバイルアプリなど様々な手段があります。診断も以前はログを見て行っていましたが、今はAIが提供するリアルタイム分析で行います。

    AIエージェントについてはこちらの記事でも解説しております。
    関連記事:自立型AI(AIエージェント)とは?仕組みを解説(記事作成後リンク追加)

    なぜ今、AI運用が重要なのか?

    この急速な導入は、運用効率と信頼性の面でAIエージェントが提供する即座の価値を反映しています。

    AIエージェントの学習能力
    人間と同様に、AIエージェントは常に学習、コミュニケーション、行動を行います:

    • 運用データから継続的に学習し、フィードバック情報をモデルに適用する能力により、明示的な再プログラミングなしに時間とともに改善
    • 特定のインシデントタイプに最適な対応戦略を学習し、組織固有の運用パターンに適応

    チーム間の効果的なコミュニケーション

    • コラボレーションプラットフォームとの統合により、引き継ぎ時のコンテキストを維持
    • 問題をビジネス影響の要約に変換
    • 場所やタイムゾーンに関係なく、すべてのステークホルダーが同じリアルタイム情報にアクセス可能

    状況に応じた適切な行動

    • 静的な自動化とは異なり、エージェントは文脈的な判断を下すことができる
    • 現在の状況と過去の結果に基づいて複数の選択肢から適切な行動を選択
    • 硬直的なif-thenロジックではなく、柔軟な判断が可能

    AIエージェントが変える3つの運用レベル

    AI運用では、3つの階層フレームワークを使用して、何を自動化でき、どこで人間が不可欠であり続けるかを組織が理解できるよう支援しています。

    レベル1:十分に理解された問題(〜100% AIと自動化)

    これらは修正方法が特定され、簡単に自動化できるインシデントです。チームは、AI生成の要約と、上流で問題を解決する方法に関するAI作成のインサイト以外、このインシデントについて何も見る必要がありません。

    具体例:

    • データベースクラスターが80%の容量に達すると、人間の介入なしで追加リソースをプロビジョニングする自動スケーリングワークフローがトリガー
    • 特定のマイクロサービスで以前に特定されたメモリリークが自動再起動シーケンスをトリガー
    • SSL証明書の有効期限警告が表示されると、AIエージェントが自動的に更新プロセスを開始

    **目標:**誰も起こすことなく、問題が自動的に解決されること。理想的には、人間が見るのはAIエージェントが生成したインシデント後レポートだけです。

    レベル2:部分的に理解された問題(AIと自動化主導+対応者支援)

    これらのインシデントは以前に見たことがありますが、複数の解決策がある可能性があります。人間の判断が必要ですが、AIがプロセスを大幅に合理化できます。

    具体例:

    • 決済ゲートウェイで断続的な障害が発生した場合、AIが3つの潜在的な解決策を特定し、人間の承認のために最も可能性の高い修正を推奨
    • API調整問題で、エージェントが最近のコードデプロイメント、トラフィックパターン、潜在的な修復オプションに関するコンテキストを提供
    • 顧客が報告したアプリケーションの速度低下で、エージェントが複数のシステムメトリクスを相関させて可能性の高い原因を絞り込み

    **目標:**対応者の認知負荷を軽減しながら、より迅速な解決。AIがデータ収集と分析の重労働を行い、人間が重要な決定を下します。

    レベル3:新しくて斬新な問題(対応者主導+AIと自動化支援)

    これらは前例のない、または非常に複雑なインシデントで、人間の専門知識と創造性が必要です。AIの役割は指示的ではなく支援的です。

    具体例:

    • これまでに見たことのないAPI統合障害で、対応者が調査を主導し、AIエージェントがコンテキストを収集、診断アプローチを提案、リアルタイムで発見を文書化
    • ゼロデイセキュリティ脆弱性で、人間が封じ込め戦略を開発している間、AIがシステム全体への影響を評価支援
    • 複数のシステムにまたがる複雑なサービス劣化で、人間がクロスチーム・トラブルシューティングを調整している間、AIが包括的なタイムラインを維持

    **目標:**管理業務ではなく問題解決に集中できる対応者。人間が独自の専門知識を新しい課題に適用している間、AIが文書化、コミュニケーション、情報収集を処理します。

    AIエージェント導入がもたらすインシデント対応の影響

    AI運用を実装している組織は、理論的な利益だけでなく、効率性、顧客体験、イノベーションにわたって測定可能な改善を見ています。

    PagerDuty 2025年デジタル運用状況レポートでは、運用で生成AIを活用している組織が大きなメリットを報告していることが示されています:

    • 38%がより高品質なデータインサイトを挙げ
    • 37%が運用効率の向上
    • 36%が顧客体験の改善
    • 33%がチームコラボレーションの改善を報告

    改善項目|割合(回答率)|補足

    高品質なデータインサイト|38%|障害の予兆やパフォーマンス低下を早期に把握

    運用効率の向上|37%|自動化による作業削減、対応時間の短縮

    顧客体験の改善|36%|ダウンタイム短縮、影響を最小限に抑える対応

    チーム連携の改善|33%|引き継ぎ・状況共有がリアルタイムかつ明確に

    導入分野

    セキュリティ(41%)とDevOps自動化(41%)が最大のユースケースで、顧客体験(38%)、AIエージェントの運用(37%)、インシデント管理(34%)がそれに続いています。

    分野|導入率|補足説明

    セキュリティ対応|41%|アラート対応、脆弱性の自動検出と対処

    DevOps自動化|41%|開発・運用連携の効率化、自動リリース管理

    顧客体験の改善|38%|問題検知から対応までの時間短縮

    AIエージェントの運用|37%|運用全体のフローをAIが担う

    インシデント管理|34%|検知・通知・修復までのプロセス自動化

    競争上の優位性

    成熟したAI駆動運用を持つ企業は、3つの重要な分野で競合他社を一貫して上回っています:

    • 製品開発速度:運用のオーバーヘッドに煩わされることなく、より良い製品をより速く出荷
    • 顧客体験:顧客が気づく前にインシデントを解決し、インシデントが顧客に影響を与える場合も、時間ではなく分で解決
    • 人材獲得と定着:トップエンジニアは興味深い問題を解決したがり、システムの監視はしたがらない

    関連記事:Built to Withstand the Next Outage: How PagerDuty AIOps Keeps You Ahead

    成功するAI運用の実装方法

    AI運用の実装を成功させるには、セキュリティの懸念への対処、スキル開発、高価値ユースケースの特定、変更管理が必要です。

    主な課題と対策 最近のデータによると、主要な懸念事項は:

    • データセキュリティ(35%)
    • スキル開発(31%)
    • 高価値ユースケースの特定(30%)
    • 予算の考慮事項(29%)
    • 従業員の不安(28%)

    課題項目|回答割合|補足説明

    データセキュリティ|35%|機密データへのAIアクセスや外部攻撃リスクへの懸念

    スキル開発|31%| AI運用に必要な知識や社内体制の不足

    ユースケースの特定|30%|どこにAIを活用すべきか判断が難しい

    予算の考慮|29%|導入・維持にかかる費用やROIへの懸念

    従業員の不安|28%|「AIに仕事を奪われる」などの心理的障壁

    セキュリティ対策の考え方

    AIエージェントが効果的に機能するためには機密性の高い運用データへのアクセスが必要で、新たな潜在的攻撃面を作り出します。成功している組織は、AI運用に「セキュア・バイ・デザイン」原則を実装し、機密データを保護しながらAIエージェントが効果的に機能するために必要なアクセスを許可するセキュリティガードレールを組み込んでいます。

    AI運用の実装ステップ

    AI運用で最大の成功を収めている組織は、構造化されたアプローチに従っています:

    1. 評価:現在の運用成熟度を評価し、AIが対処できる特定の課題を特定
    2. 優先順位付け:ビジネス影響、技術的実現可能性、組織の準備状況に基づいて初期ユースケースを選択
    3. パイロット:明確な成功指標を持つ制御された環境でAIエージェントを実装
    4. 検証:ベースラインパフォーマンスに対して結果を測定し、結果に基づいてアプローチを改善
    5. 拡張:成功した実装を追加のチームとユースケースに拡大
    6. ガバナンス:AI運用が期待される価値を提供し続けることを確保するための継続的な監視を確立

    PagerDutyのAI運用アドバンテージ

    PagerDutyの10年以上のAIイノベーションと深い運用データの専門知識により、測定可能なビジネス価値を提供するAIエージェントの実装を組織が成功させるための独自のポジションにあります。

    主な特徴:

    • 深いデータとドメイン専門知識:数十億のインタラクションから得られた15年間の運用データに基づいて構築
    • エンタープライズグレードのガードレール(安全設計):包括的なガバナンス制御により、AIの不適切な出力(幻覚)や有害なコンテンツを最小化
    • 即座の価値実現時間:セットアップや新しいインフラを必要とせず、すぐに動作
    • 統合AIエコシステム:プラットフォーム全体の750以上の統合によって支えられたエージェント間の相互運用性

    まとめ:AIで競争優位性を築く

    これらのAIエージェントは人間を置き換えるものではありません。人間の能力を拡張し、運用の専門家がより価値の高い作業に移行できるようにします。AIが歴史的に不釣り合いな時間と注意を消費していたよく理解された運用を引き受ける一方で、人間はより大きなビジネス価値を推進する斬新な運用や創造的な作業により多くの時間を費やすことになります。

    適切に実装されたAI運用は、技術的要素と人的要素の両方に注意を払うことで、運用の回復力と競争優位性の礎となります。運用の専門知識と目的別に構築されたAI技術を組み合わせることで、PagerDutyは単なるツール以上のものを提供します。それは、AI時代における運用excellenceへの実証済みの道筋です。

    詳しくはPagerDuty AIエージェントをご覧ください。AIエージェントを導入する運用リーダーに、技術と運用変革の人的要素の両方を理解する信頼できるパートナーとして、ぜひお気軽にお問い合わせください。

    ダウンロード資料
    https://www.pagerduty.co.jp/resources

    14日間の無料トライアル
    https://ja.pagerduty.com/sign-up

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    700以上ものツールと連携。システム障害を自動的に検出・診断するだけでなく、適切な障害対応メンバーをアサインし、デジタル業務全体の修復ワークフローを自動化します。

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