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700以上ものツールと連携。システム障害を自動的に検出・診断するだけでなく、適切な障害対応メンバーをアサインし、デジタル業務全体の修復ワークフローを自動化します。
現代のシステム開発においては、複雑化するシステムの全体像を把握し、問題の根本原因を迅速に特定することが大きな課題となっています。多くの企業が、システムの状態をリアルタイムで監視し、異常を素早く検出する方法を模索していることでしょう。
この課題に対する有効な解決策として注目を集めているのが、オブザーバビリティです。オブザーバビリティを導入することで、システム全体の動作を詳細に分析し、潜在的な問題を事前に予測できるようになります。インシデントを未然に防げるだけでなく、サービスの安定性向上にもつながるでしょう。
本記事では、オブザーバビリティの概要や必要性、メリット、監視との違いなどを解説します。
目次
オブザーバビリティ(Observability)とは、システム上で異常が発生した際に何が、どこで、なぜ起こったのかを迅速に把握できる能力、あるいは仕組みのことを指します。「観測する」という意味の「Observe」と「能力」を意味する「Ability」を組み合わせた言葉で、日本語では「可観測性」と訳されます。
オブザーバビリティの概念は、制御工学の分野において1960年ごろから存在していましたが、ITの分野においても近年のシステム複雑化にともない、その重要性が認識されるようになりました。
オブザーバビリティを実装すると、複雑なシステムの内部状態を深く理解でき、インシデントに素早く対応できるようになるでしょう。さらに、インシデントに至るまでの過程を追跡できるため、予期せぬ問題が発生した際にも効果的に対処できるようになります。
オブザーバビリティが求められるおもな理由は、クラウドネイティブの分散システムの普及にあります。ネットワークに接続された多数のコンピュータが連携して作業を行なう分散システムは、機能の追加・変更を簡単にできるのがメリットです。また、システムが安定して稼働し続けられる能力が高いという特徴もあります。
しかし、管理すべきコンピュータが多岐にわたるため、インシデント発生時の原因究明が難しいのが課題です。
こうした分散システムの問題解決に役立つのが、オブザーバビリティです。オブザーバビリティを実現すると複雑なシステムの内部状態を把握でき、インシデントが発生した原因を迅速に分析できます。問題を早期に解決することで、システムの安定性と信頼性の向上につなげられるでしょう。
オブザーバビリティの導入には、ビジネスを成功に導く4つのメリットがあります。現代の複雑なシステム環境において、オブザーバビリティは競争力と顧客満足度を高めるうえで重要です。ここでは、各メリットについて詳しく解説していきます。
オブザーバビリティツールでシステムを常時監視することで、サービスの信頼性を向上させられます。
オブザーバビリティツールの導入により、システムの異常を早期発見できるだけでなく原因の分析も迅速に行なえます。サービスの停止を防ぎ、ユーザー体験に悪影響をおよぼす前に対策することで、サービスの信頼性と顧客満足度の向上が期待できます。
特に多くの人が利用するモバイルデバイスでは、ユーザビリティとサービスレベルが重要です。オブザーバビリティによってサービスの安定性と信頼性が向上すればユーザーの信頼を獲得でき、企業のブランドイメージを強化できるでしょう。
オブザーバビリティツールを導入すると、開発チームと運用チームの連携が改善します。従来の監視体制では、開発チームと運用チームが別々に作業していたため対立が生じやすく、システム開発がスムーズに進まないことが少なくありませんでした。
しかし、オブザーバビリティツールを活用すれば、問題の把握から原因追究までの一連のプロセスを関連づけられるため、チーム間の共同作業が促進されます。
例えば、インシデント発生時に両チームが同時に情報を得られるため、迅速かつ効果的な対応が可能です。また、システム状況を一元管理でき、開発と運用の視点を融合させた改善策を見出しやすくなります。
両チームが情報を共有しながらシステムの安定運用に取り組めるようになれば、サービスの品質向上と運用効率の改善につながるでしょう。
オブザーバビリティを実現するツールを導入すれば、運用性が向上します。システムの状態を自動的に収集・分析して異常を検知するため、人の手による監視作業が削減されます。また、アラートの自動化により、重要な問題を見逃すリスクも低減できるでしょう。
結果として、運用チームは日常的な監視業務から解放され、より戦略的な業務に注力できるようになります。人材の有効活用につながれば、長期的にはコスト削減効果も期待できるでしょう。
オブザーバビリティによって、原因の推測や発見に多くの時間を費やす必要がなくなるため、業務管理の効率が向上します。問題の重要度に応じて優先順位を付け、効率的に対処すれば開発と運用の生産性も向上するでしょう。
さらに、業務管理の効率化は企業の競争力を高め、市場での優位性を確立することにもつながります。オブザーバビリティの導入は単なる技術的な改善を超え、ビジネス全体の成功に影響する要素となるでしょう。
オブザーバビリティと監視は、どちらもシステムの状態を把握するための手法ですが、仕組みや監視範囲に大きな違いがあります。
監視は、システムの動作を継続的に観察することを指します。あらかじめ設定した閾値を超えた場合にアラートを発して、「何が起きたか」を検知するのがおもな役割です。しかし、監視では、予期せぬ問題や複雑なインシデントの原因特定が難しい場合があります。
一方、オブザーバビリティでは、システムの内部状態を総合的に把握できます。そのため、単に問題を検知するだけでなく、「なぜそれが起きたか」を探り出すことが可能です。システムのさまざまなデータを収集・分析し、インシデントの根本原因を特定できます。
例えば、監視ではサーバーの負荷が高いことはわかっても、その原因の特定が困難です。対して、オブザーバビリティは、負荷の増加がどのプロセスや処理に起因しているかを詳細に分析できます。
オブザーバビリティは、より包括的なシステム管理を可能にし、問題の迅速な解決と予防的な対策の実施をサポートしてくれるでしょう。
オブザーバビリティを実現するには、「オブザーバビリティの3つの柱」と呼ばれるメトリクス・トレース・ログが不可欠です。メトリクスは数値化されたデータを、トレースは処理の流れを、ログは詳細なイベント記録を提供します。
この3つの要素を組み合わせて収集・分析すると、システム全体の状態が把握でき、オブザーバビリティの実現につながります。各要素の重要性を理解し、より良いサービス提供に活かしましょう。
メトリクスとは、システムのさまざまな側面を数値化して表現した、データの集計のことです。メトリクスを活用すれば、システムの状態を定量的に把握し、システム全体の動きを細かく検知できます。
具体的には、メモリ使用率・CPU使用率・ネットワークトラフィックなどの情報を秒単位で収集することで、システムの動作状況を把握できます。データをグラフとして可視化すれば、システム全体の挙動をより直感的に理解できるでしょう。
メトリクスは数値データに基づいてイベントを検知する、効果的なシステム管理の基盤となります。
トレースとは、システム内における処理の流れを可視化したデータです。トレースにより、システム内に発生したリクエストを追跡し、問題が発生した箇所を正確に把握して対応できます。
従来のシステムでは、エラーが発生した際の追跡調査に多大な時間を要していましたが、トレースを活用することで、問題の発生箇所を容易に特定できます。
トレースによりトラブルシューティングの効率が向上すれば、システムの安定性と信頼性の確保につながるでしょう。
ログとは、OS・ミドルウェア・アプリケーションなどが出力するテキスト情報を指します。システムの動作履歴を把握するための貴重な情報源であり、インシデントの根本原因を特定する手がかりを得る際に役立ちます。
ただし、ログだけではオブザーバビリティの全体像をとらえるには不十分です。ログは「何が起きたか」を示す記録であり、「なぜ起きたか」を理解するには、メトリクスやトレースなどほかの要素と組み合わせて分析する必要があります。
DevOpsにおいても、オブザーバビリティは重要な役割を果たします。
DevOpsとは、開発チームと運用チームの連携を強化し、高品質なサービスのスピーディーな提供を目指す手法です。役割と目的が異なる両チームは対立しやすく、DevOpsの導入が進まない企業も少なくありません。
しかし、オブザーバビリティを取り入れることで、DevOpsの目標達成がスムーズになります。
DevOpsを実現する際に課題となるのは、質を維持した迅速な開発とセキュリティ強化の両立です。オブザーバビリティを導入すれば、システムの内部状態を詳細に把握できるため、問題が発生した際に原因を素早く特定し、デバッグや修正を迅速に行なえます。そのため、開発の手戻りが少なくなり、セキュリティを確保しつつスピーディーな開発が可能になるでしょう。
また、オブザーバビリティはリアルタイムで情報を共有できるため、開発・運用の両チームがシステム環境に対する共通認識を持てます。認識の相違がなくなれば両者のコミュニケーションがスムーズに進み、高品質なサービスの継続的な提供を実現できるでしょう。
オブザーバビリティはインシデントの早期発見に役立ちますが、アラートの数が多いと対応の優先順位付けが困難になる場合があります。そこで役立つのが、数あるアラートのなかから重要なインシデントを的確に識別する「PagerDuty」です。
「PagerDuty」は、AIを活用した解決のヒント(コンテクスト)の提示やリアルタイムの情報共有機能により、インシデント対応のプロセスを効率化します。
ここでは「PagerDuty」の機能を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「PagerDuty」では、大量のアラートのなかから優先的に対応すべきインシデントを自動で識別し、見落としを防ぎます。手動対応では時間がかかり、ミスも発生しやすくなりますが、自動化によってこれらの問題を解消できるでしょう。
さらに、問題箇所を特定するためのログ収集などの診断プロセスや、定型的な復旧手順までも自動化可能です。「PagerDuty」を導入するとインシデント対応の速度・精度が向上し、システムのダウンタイムを最小限に抑えられます。
複雑化するシステム環境において、迅速かつ効率的な問題解決の実現に役立つでしょう。
AIを活用したインシデント管理ツールは、インシデント対応を効率化させます。従来、インシデントの原因特定には、過去の類似事例を調査して情報を収集するなど、多くの時間と労力を費やす必要がありました。
しかし、AIを採用したツールを導入することで、原因特定までの過程を効率化できます。
「PagerDuty」では、解決のヒント(コンテクスト)として、AIが過去の類似インシデントや関連するインシデント、さらにはインシデントとの関連性が高い直筋の変更点などを提示します。これにより、適切な対応策を素早く講じ、インシデント解決にかかる時間を短縮できるでしょう。
「PagerDuty」では、社内の関係者に状況を知らせる「Status Update機能」や、各サービスの状況を俯瞰できる「Status Dashboard」を提供しています。インシデントの状況や影響範囲をリアルタイムに共有することで、組織全体での効率的な問題解決と円滑なコミュニケーションが促進されます。
情報共有の仕組みがない場合、関係者は個別に状況を問い合わせることになり、システム担当者の負担が増大するでしょう。インシデントの調査や復旧が遅れ、顧客や社外の関係者への適切な対応も難しくなります。
「PagerDuty」で効果的に情報共有すれば、組織全体のインシデントへの対応速度が向上し、顧客満足度の維持・向上につながるでしょう。
オブザーバビリティの導入は、複雑化するシステムにおける異常の検知と迅速な問題解決を可能にします。オブザーバビリティにはメトリクス・トレース・ログの収集・分析が必要ですが、インシデント管理ツールを取り入れることでスムーズに実現できるでしょう。
「PagerDuty」は、オブザーバビリティプラットフォームと統合できるツールです。問題検知から解決までのプロセスを効率化し、サービスの信頼性向上につなげます。
インシデントを未然に防ぐために、システム運用に「PagerDuty」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
「PagerDuty」に関する詳細な資料は、以下のページからダウンロードしていただけます。
https://www.pagerduty.co.jp/resources/
また、「PagerDuty」は14日間の無料トライアルをご利用いただけます。ぜひお試しください。
https://ja.pagerduty.com/sign-up/
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